完全引きこもり者が160万人を超え、医療にかかっている気分障害患者だけでも100万人もおり、自殺が深刻な国家的問題となって現在、メンタルヘルス政策の改善は国民からのニーズも高く、緊急の社会的テーマとなっています。
また、精神医療では「入院医療中心から地域生活中心へ」をモットーに政策転換を進め、多職種協働のチーム医療を採用する方針を固めており、臨床心理職は、このチームで重要な役割を担うことが期待されています。このような状況の中で臨床心理学への社会的ニーズが高まっており、心理職の国家資格化も、このような動向の一環に位置付けられています。
しかし、昨今の公認心理師に関しては政治的議論が多く、国家資格に値する臨床心理学のモデル、あるいは知識や技法とは何かという、本質的議論が十分なされていません。臨床心理学の発展という点では、単に国家資格ができればよいというわけではありません。
専門職としてどのような活動を展開していくのか、そのために学問として臨床心理学をどのように発展させていくのか、そしてそれを国民にどのように説明し、社会の中に位置づけていくのかということが、何においても重要な課題となります。
また、医師や教師をはじめとする他の専門職とどのように連携・協働していくのかも重要な課題です。さらに、専門職としての臨床心理職をどのように教育していくのかという訓練システムも発展させなければなりません。
そこで、臨床心理iネットでは、臨床心理専門職の発展に向けて、
の3点に関する情報を皆様に提供いたします。臨床心理学の発展にご関心をお持ちの多くの方にご参照いただければ幸いです。